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はなの病気

アレルギー性鼻炎

アレルギーはダニ・ハウスダストやスギ・ヒノキの花粉などに対する過剰な免疫応答により引き起こされます。鼻水、くしゃみ、鼻粘膜の腫れによる鼻づまり、目のかゆみ、のどのかゆみ、皮膚湿疹などの症状が体の各部にあらわれます。
アレルギー性鼻炎はアレルギー症状が鼻にあらわれるものをさし、このうち特に花粉に対するアレルギー性鼻炎を花粉症といいます。
一度も検査したことがない方は日常生活での予防方法を考える上でも検査を受けるのことを勧めます。採血検査でアレルギー抗体の数値とアレルギー原因物質への反応を知ることができます。結果の報告は1週間後となります。

時間がなく即日検査したい方は簡易キットの検査があります。指先からわずかな血液を採取し、アレルギーの有無をプラス・マイナスで知ることができます。注射による採血は行わないので小さなお子様でもほとんど痛みもなく検査することができます。検査時間は約20分です。
花粉症のお薬は飲み薬にしても点鼻薬にしても種類が多いので、症状がよくなる組み合わせを見つけることが必要です。毎年薬を使っているから効きが悪くなるという心配はないので、一度自分に合う組み合わせを見つければ毎年快適に過ごすことができます。薬局で販売している薬もありますがとても眠くなる、体がだるい、のどが渇く、といった副作用が出る場合もあります。特に市販されている点鼻薬については基本的には短期治療用ですので、長期に使用し続けるとかえって鼻づまりがひどくなり気付かない間に症状を悪化させている場合がありますので注意が必要です。重症の方には鼻粘膜焼灼などの外科的処置を行うこともあります。

アレルゲン舌下免疫療法(花粉症・ハウスダストアレルギー)
アレルゲン免疫療法は、減感作療法とも呼ばれ、アレルギーの原因である「アレルゲン」を少量から投与することで、体をアレルゲンに慣らし、根本的なアレルギー体質を改善することを目指す治療です。抗アレルギー剤を長期に内服し続けることが心配な方や、薬物治療の効果が不十分な方に勧められます。小児も適応がありますが、治療はスギ花粉症の飛散時期(1月から5月)には治療を開始することはできません。スギ花粉が飛散していない時期に治療を開始する必要があります。また最低2年間程度以上の治療継続が必要です(3年以上推奨)。ハウスダストのアレルギーの方に対する薬もあります。

副鼻腔炎

ヒトの顔面には鼻とつながった副鼻腔という空洞があり、そこに炎症が起こった状態が副鼻腔炎で、経過によって急性副鼻腔炎と慢性副鼻腔炎に分類されます。膿が副鼻腔にたまることが多く、以前は(蓄膿・ちくのう)と呼ばれていました。 急性副鼻腔炎は副鼻腔にウイルスや細菌による感染・炎症を起こした状態です。
鼻づまり、鼻漏(黄色い粘りの強い鼻汁)、後鼻漏(鼻からのどに落ちてくる痰)
頬部痛(頬のあたりの痛み)、頭痛(眉間から頭の前方の強い痛み)、時により発熱などが見られます。
直接副鼻腔内を確認するのは困難なことが多いため、レントゲンやCTによって副鼻腔の状態を評価します。またファイバースコープを用いて、鼻の奥の鼻漏の量や、鼻にポリープができていないかなどを観察します。
鼻の症状に応じて抗生剤、鼻汁吸引、ネブライザー治療を行います。
慢性副鼻腔炎に移行しないようしっかり治療を行うことが重要です。慢性副鼻腔炎は鼻との換気・膿の排泄がうまくいかず、副鼻腔の炎症が長く続いてしまっている状態です。
慢性化すると、3カ月程度の薬物治療継続が必要で、それでも改善ない場合は手術治療が必要な場合もあります。

鼻出血

鼻出血は鼻の入り口に近い粘膜から出ることが多いです。主な原因としては副鼻腔炎やアレルギー性鼻炎など鼻の炎症、外的刺激(指で傷つけた、乾燥など)、また外傷です。鼻出血を止めるには出血部の圧迫が重要です。応急処置として、座った状態で前かがみになり、鼻翼(こばな、鼻の入り口の柔らかい部分)を両方から指で5分位つまんでください。それでも出血の勢いがおさまらない場合は病院でガーゼなどを鼻につめ、圧迫することが必要です。ガーゼは2~3日詰めておきます。出血部を焼くこともあります。
お薬で血が止まりにくくなっていることもあります、受診時にはお薬手帳をご持参ください。


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